2022/08/02
令和4年度の青寿会健康支援事業フレイル予防教室(以下FPS)では、前年度にサルコペニア、あるいはその予備軍と判定された参加者のサポートも可能な限り出来るようにとの趣旨から、今年度は、前回参加者3名を含む13名の地域住民の方々により、開催する運びとなりました。
FPSとは、リハビリテーション専門職の「理学療法士や作業療法士」が、体組成計による筋肉量などの測定と歩行や握力などの運動機能測定を担当し、また「言語聴覚士」が、嚥下機能などの測定をします。さらには「管理栄養士」が、食事に関するアンケートや食品摂取調査シートを活用した栄養指導を合わせて行います。 その結果をもとに、生活の中での助言や指導を4ヶ月毎に行う地域貢献事業の一つです。
フレイルの主な原因となるサルコペニアの改善に、特に有用とされているのが『運動と栄養の併用』です。FPSへの参加が契機となり、ご自身の運動と栄養に関する理解を深め、生活がより有意義なものとして、要介護状態を出来るだけ遠ざける一助となればと考えています。職員一同、今後も地域住民の皆様の健康維持・向上に貢献できるよう努めて参りたいと思います。
前回と今回の結果を比較し、握力や歩行速度などの身体機能が改善している方もいらっしゃいましたが、筋肉量が減少した方もおり、個別指導の重要性を再確認致しました。また、筋肉量や筋力を増やす体作りには、元となる栄養を十分に摂取することが重要であることを再確認して頂けた様子でした。
今回から簡易フレイルインデックスを新たに評価に加え、よりフレイル(加齢に伴い心身が衰えた状態)を早期から発見し、負のスパイラルに陥らないように助言・指導を行っています。フレイルは自覚がない状態で進行していくため、今後も地域住民の皆様の健康維持・向上に貢献できるよう努めて参りたいと思います。
今年度の最後の教室となりました。
フレイルを予防するためには、適度な運動やバランスの良い食事だけでなく、外出したり、会話をしたりするなど社会的交流も重要です。また、フレイルになってしまった場合でも、早期に予防に取り組むことで健康でいられる期間を長くすることができます。(図1)
今年度は、いずれの回も参加者全員が一度も欠席することなく参加されており、ご自身の身体機能や栄養についての関心の高さが伺えました。教室を終えた後も適度な運動やバランスの良い食事を摂ることを継続できるように知識を付ける事やご自身の身体機能を把握する事の重要性を再認識して頂けたようでした。
今後もフレイル予防教室を通して、地域住民の皆様の健康維持・向上に貢献できるよう努めて参ります。
※なお教室は、毎回感染対策を講じたうえで実施しております。
2022年度(令和4年度)フレイル予防教室の修了式と講演を開催致しました。講演には約20名の地域の皆様に来場して頂きました。
講演テーマは「健康寿命を伸ばす 介護予防の理解を深める」で、教室の結果報告や介護予防の重要性について熱心に聴かれていました。
今回のフレイル予防教室では、コロナ禍で人と会話する機会が減少したことから、舌の筋力が衰えた方がいるなど、コロナウイルスによる弊害が想像以上に大きいことが分かりました。
コロナウイルスの感染拡大により生活様式が変化し、約3年が経過しましたが、コロナ禍においても身体活動や社会活動がフレイルを回復させる一助になることが分かっています。
今後も地域の方々の介護予防やフレイル予防に貢献してまいります。